昨今メディア等でも話題の健康茶「桑の葉茶」、皆様はご存じでしょうか。
日本でもなじみ深い桑の木の葉だからこそ見落としてしまいがちな、桑の葉茶の魅力についてご紹介します。

b25-2808 クワの葉 クワの実 (ヤマグワ)

写真:クワの葉 クワの実 (ヤマグワ)<引用元: https://forest17.com/ 無料写真素材「花ざかりの森」様>

目次

  1. 桑の葉茶って何?最近になって話題になった理由
  2. 桑の葉茶に含まれる成分について
  3. 粉末と茶葉、どちらがいいの?桑の葉茶のおいしい淹れ方

1.桑の葉茶って何?最近になって話題になった理由

桑の葉畑の写真

日本では古代よりヤマグワなどの桑の木が自生しており、日本最古の書物である『古事記』や『日本書紀』にもさまざまな場面で桑が登場します。
桑は葉、実、枝、根、樹皮に至るまで、養蚕をはじめ食用・生薬・建材など多岐にわたり重用され、人々の生活に欠かせない存在でした。

桑の木が身近に生えている方にとっては「桑の実」は馴染み深いおやつかもしれません。
桑の実は少し長いラズベリーのような形状で、真っ黒に熟したものは甘酸っぱくておいしい木の実です。
アントシアニン、ビタミンC、鉄分などが豊富に含まれており、近年では「マルベリー」という名称でジャムやお菓子に加工されて販売されています。

 

桑の葉茶の歴史と現代における再評価

一方、桑の葉は蚕の飼料としてのイメージがあまりにも一般的になったためか、「桑の葉を食用にする」という認識は薄いかもしれません。
しかし、桑の葉茶自体は非常に古い歴史を持ちます。鎌倉時代前期の臨済宗の高僧、栄西禅師が著した日本最古の茶の専門書「喫茶養生記」にも桑の葉茶が登場します。

もちろん、養蚕が盛んな地域では桑茶は日常的に飲まれていました。
昔は地域ごとに多様な食文化を持っていたこともあり、桑の葉茶が全国的に広く流通することはなかったものの、長らく「知る人ぞ知る健康茶」として親しまれてきたのです。

近年、健康志向が高まるにつれて、桑の葉の持つ特性や魅力がメディアを通して広く知られるようになりました。
その魅力の一つが、「クセが少なく飲みやすい」という点です。この飲みやすさが、桑茶を継続して飲むことができる大きな理由となっています。

 

桑の葉茶がおいしくなった理由

実は、この桑の葉茶はここ数年で格段に美味しくなりました。

従来の桑の葉茶の作り方は、桑の生葉を洗い、天日干しにして煮出すシンプルな製法が主流でした。
もちろん、この昔ながらの製法でもおいしい桑の葉茶を作ることはできます。
しかし、素材の味がそのまま出るため、鮮度や保存条件によって味が左右されやすく、苦味やえぐみ、青臭さなどが強く出てしまうこともありました。

そこで注目されたのが日本茶の製法です。
日本茶の製造工程は、原料となる茶葉を丁寧に蒸し上げ、揉み、乾燥させて「荒茶」を作り、さらに二次加工で焙煎や仕上げを施します。
この手法を桑の葉に応用することで、栄養効果を落とさずに桑の葉の持つ独特の青臭さを軽減し、まろやかで飲みやすい味わいに仕上げることができるとわかりました。
既存の手法や設備を流用できたことでコストも抑えられ、桑の葉茶の品質を損なうことなく、安定した供給が可能になりました。

元々優れた健康茶であった桑の葉茶が、より美味しく、そして手軽に手に入るようになったことで、再び注目を集めるようになったのです。

 

2桑の葉茶に含まれる成分について

桑の葉の写真

近年、桑の葉が持つデオキシノジリマイシン(DNJ)が話題となっています。
一般的な植物にも含まれますが、桑の葉ほど高濃度に含有する植物は珍しく、桑の葉やマルベリーの特性として広く知られるようになりました。

桑の葉の魅力はDNJだけではありません。

  • GABA(ギャバ):アミノ酸の一種。
  • ミネラル: カリウム、カルシウム、鉄分、亜鉛、マグネシウムなどが豊富に含まれています。
    特にカリウムはバナナの約8倍、カルシウムは牛乳の約23倍、鉄分は小松菜の約15倍もの量が含まれていると言われています。
  • ビタミン類:  ビタミンA、B2をはじめとした様々なビタミンが含まれています。
  • 食物繊維:  水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が豊富に含まれています。

さらに、桑の葉茶はノンカフェインなので、カフェインの摂取が気になる方や未成年の方も安心して継続して飲むことができます。

鉄分不足やビタミン不足が気になる方、
毎日カリウムやカルシウムを取りたい成長期の方、
日頃の食事で食物繊維が足りていないと感じている方に
手軽に追加できる桑の葉茶はぴったりではないでしょうか。

 

ご注意ください

桑の葉茶にはカリウムが豊富に含まれており、カリウムの多量摂取は腎機能に負担を掛ける場合があります
常飲のお薬がある方は必ずかかりつけ医にご相談の上、桑の葉茶をお試しください。

 

3.粉末と茶葉、どちらがいいの?桑の葉茶のおいしい淹れ方

静岡茶園では、桑の葉茶は「ティーバッグ」と「粉末」の2種類でご用意しています。

ティーバッグ

粉茶

【メリット】

◎香りが出て「お茶」としておいしく飲める
◎マグカップひとつでお手軽に淹れられる

【デメリット】

●使用済みの茶殻がごみになる
●水に溶けにくい栄養素が摂取できない

【メリット】

◎葉の持つ栄養素をまるごと摂取できる
◎他の飲み物や料理に混ぜやすい

【デメリット】

●シェーカーやマドラーでかき混ぜる必要がある
●底に粉が残りやすい

どちらも一長一短ですので、自分のライフスタイルに合わせて、よりお手軽に感じて継続しやすいものを選ぶのがおすすめです。
お茶は身体に良いものではありますが、薬ではありません。
嗜好品として「おいしい」と「毎日飲みたい」の気持ちを最優先に選んでいただけると、お茶屋としてはありがたく思います。

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血糖値をコントロール|桑の葉茶ティーバッグ

桑の葉茶ティーバッグ

血糖値が気になる方へ|桑の葉茶パウダー

桑の葉茶 粉末

 

《美味しい飲み方》

【ティーバッグ】

①カップにティーバッグを1つ入、約80℃くらいのお湯を注ぐ。
②2-3分程待ち、有効成分が抽出されてからお飲みください。
※待っている間、小皿などでカップにフタをして茶葉をしっかり蒸らすと、より茶葉の成分が湯に溶け香りが立ちます

冷茶で楽しみたい場合は急冷がオススメ。
手順通りに入れ、熱いまま氷を入れた耐熱グラスに注いでお召し上がりください。

 

【粉茶】

<お湯に溶かす場合>
1杯あたり約1g-1.5gの粉末をカップに入れ、約150-200mlのお湯または水を入れ軽くかき混ぜる。

<水に溶かす場合>
①約6-8gの粉末を少量の水で溶かしておく。
②お茶のボトルに①と1Lのお水を入れ、軽く振って混ぜて冷蔵庫で冷やす。
③飲む前にも軽く振って均一にしてからコップに注いでください。

粒が細かいので比較的溶けやすいのですが、どうしても底に沈殿してしまうことがあります。
もしお持ちの場合はプロテインシェーカーなどをご利用いただくのもおすすめです。

さいごに

最近は様々な所で桑の葉茶の名前を聞くようになりました。
しかし、まだ身近な店舗で見かけることは少なく、ネット通販では送料がかかるため、「どんな味か分からないのに購入するのは気が引ける」と感じる方も多いのではないでしょうか。

桑の葉茶はクセが少なく飲みやすいのが特徴ですが、やはり桑ならではの草のような風味が少しあります。
そのため、実際に口にしてみてやっぱり苦手だなと思う方もいるかもしれません。

もし飲んでみて「少し苦手だな」と感じても、まだ諦めないでください!お菓子や料理にアレンジしてみるのもおすすめです。
また別の機会でアレンジレシピ等をご紹介したいと思います。
「ちょっと飲んでみたい」「いつか試してみようかな」と少しでも
興味を持っていただけたら嬉しいです。

また、「こんな飲み方をしてみたらおいしかった!」という感想やレビューもお聞かせください。

静岡茶園では茶の質にこだわり、いつでも良質なお茶をご用意してお待ちしておりますので、ご入用の際はどうぞご利用くださいませ。