もっと知りたい 知って欲しい お茶のおはなし

 静岡茶園は創業以来、全国のお客様へおいしい「深蒸し茶」をお届けしています

この静岡茶園のオンラインショップをみつけてくださってありがとうございます。

私たちがお届けする静岡茶園のお茶の特徴をお伝えし、おいしいお茶に出会うちょっとしたお手伝いができればという思いから、拙いながら記事を書かせていただくことにいたしました。
お茶を選ぶ際に少しでもお役に立てたら嬉しく思います。

静岡茶園はその名の通り、静岡県静岡市でお茶を製造・販売してきたお茶屋さんです。
静岡県沼津市に茶畑を所有し、茶葉の生産も行っております。
茶葉の特徴を充分に見極めて最適な蒸し時間を見極め、静岡茶園の熟練の茶師達が、独自の製法【茶葉選別式後火仕上げ】で味わい豊かな「深むし茶」へ仕上げています。

 

静岡茶園の後火製法(茶葉選別式後火仕上げ)とは

まず、原料となる荒茶を茶葉の色や形状、重さを考慮し「葉・茎・軸・芽」など8種類に選別します。

選別した葉の状態を見極め、
その日の気候等も考慮して各部位ごとに火入れの温度や時間を変えて火入れをし、
最終工程で8種類を再び一つに混ぜ仕上げます。

時間と手間がかかるこの工程は決して効率的な手法ではありませんが
繊細な味、香りの違い… 最高の味を求め試行錯誤を重ねた結果、現在の手間暇をかけたこの後火仕上げの製法にたどり着きました。

 

「深むし茶」とは?

深蒸し茶は、お茶の葉が持つ旨みや滋養成分を最大限に引き出すため、一般的な煎茶(浅むし茶)よりも長い時間をかけて蒸して作られるお茶です。
この「長く蒸す」工程を「深く蒸す」と表現することから、深蒸し茶と呼ばれるようになりました。

深蒸し茶は静岡県駿遠地域の茶産地が発祥と言われています。
日照時間が長い地域で育つ茶の葉は固くなりやすく、通常の製法でお茶に加工すると苦味と渋みが出やすいという特徴があります。
そこで、この地産の茶葉の弱点を克服し、よりまろやかで旨みの強いお茶を作るために生み出されたのが深蒸し製茶法なのだそうです。

 

深蒸し茶の味わいと特徴

深蒸し茶は他の煎茶に比べて香りは控えめですが、渋みが抑えられ、まろやかで甘みと旨みが深い味わいに仕上がるのが特徴です。

静岡茶園の深蒸し茶は、写真のように細かい形状になることが多いため、「粉茶が混ざっているのですか?」とご質問をいただくこともあります。
深く蒸すことで茶葉が壊れやすくなり、細かく砕けている部分があるのも深蒸し茶ならではの特性の一つです。

この細かく砕けた茶葉そのものが湯に溶け出すため、カテキンやビタミンなどの栄養素が多くお茶の中に溶け込んでいます。湯呑みの底に濃い緑色の粉が沈殿しているのを見たことはありませんか?これはお茶の栄養素の塊ですので、湯呑みを軽く回して底に残らないように飲むのがおすすめです。

一方で、お休み前の方やカフェインが気になる方は、あえて底の粉を飲まずに残すのも良いでしょう。

 

「浅むし茶」と「深むし茶」の違いは【蒸し時間の違い】

浅むし茶(あさむしちゃ)と深むし茶(ふかむしちゃ)を分けるのは茶葉の製造過程における蒸しの時間の長短の違いですが、見た目、味わいには大きな差があります。

まず、すぐにわかるのは茶葉の形状とお茶の液色です。

浅むし茶の茶葉は、葉や茎がはっきりと見て取れるのに対し、深むし茶の茶葉は、細かく砕けて粉のようになっているものが多いのが特徴です。

お茶の水色も異なります。
浅むし茶は、鮮やかな黄金色や黄緑色で透明感があります。時間が経つと、湯の中に溶け込んだカテキンが湯呑みの底に沈殿し、底に澱がはっきりと見えます。
一方、深むし茶は、はじめから湯呑みの底が見えないほどの濃い深緑色をしています。時間の経過とともにカテキンが底の方に沈むと、表面の部分の透明度が上がるのが特徴です。

浅蒸し茶の特徴

深蒸し茶の特徴

・甘み、渋み、苦みのバランス良し
・水色は鮮やかな黄金、黄緑色
・すっきりとした味わい
・湯の適温は60~90度
・茶葉は葉や茎の針のような形状を残す
・茶葉本来の高い香気
・甘みがあり渋みが少ない
・まったりとした深緑色
・旨味が豊かでまろやか、コクがある
・湯の適温は60~80度
・茶葉砕け粉状のものが多い
・まろやかな香りと焙煎香

浅むし茶と深むし茶、美味しいのはどっち?


同じ品種の茶葉から作られていても、浅むし茶と深むし茶では風味と香りに明確な違いがあります。
それぞれの最適なお茶の淹れ方も異なります。
どちらがより美味しいと感じるかは、個人の好みが大きく影響するでしょう。

浅むし茶は爽やかで芳醇な香りがあり、深むし茶は深い旨味とコクがあります。

どちらも日本の緑茶文化の中での優劣はなく、様々なお料理や場面に合わせて、それぞれの個性を楽しむことができます

料理に合わせて様々なお酒をマリアージュして楽しむ文化があるように、お茶請けやその時の気分に合わせて、両方のお茶を味わっていただきたいですね。

食べ物や飲み物の好みは、実際に試してみないとわからないものです。
お好みの味に出会うのはなかなか難しいものではありますが、あなたにとって一番のお茶を見つけていただけるよう、私たちも日々努力を重ねてまいります。

 

 

指さし 浅むし茶はこちら

指さし 深むし茶はこちら

浅むしと深むしの中間、中むし茶について

浅むしと深むしの違いは蒸し時間。
つまり当然、中間の「中蒸し茶」も存在します。

ですがあまり「○○産中蒸し茶」という商品名で茶葉を販売している所を見ることはありません。
おそらく、茶葉の世界では「中蒸し」がスタンダードだからこそ、あえて「中蒸し茶」とは呼ばれないのでしょう。
市場で販売している茶葉の中で、「浅むし」「深むし」と謳っていないものはおそらく中蒸しの茶葉であると思われます。スタンダードであるだけあって、中蒸し茶は「浅むし」「深むし」の良いとこ取り。


静岡茶園は深むし茶に強いこだわりを持って製造・販売しておりますが、オンラインストア限定でこの中蒸しと深蒸しの更に中間、中蒸し寄りの深蒸し仕上げのお茶を販売しています。気になる方はぜひ、浅むし、深むしと合わせて飲み比べてみてください。

   

ブランド茶 -brand tea-

Aランク茶葉品種別シングルオリジン